結婚式などのフォーマルな場面で着用される「留袖」。新郎新婦のお母様として、格式ある装いにふさわしいアイテムのひとつが「草履(ぞうり)」です。
当店では、留袖をレンタルされたお客様にオプションで草履のお貸出しも行っておりますが、お受け取り後によくいただくご質問がこちらです。
「草履が小さくて、かかとが出てしまうのですが、大丈夫ですか?」
実はこの“かかとが出る”状態は、正しい草履の履き方でもあるのです。本記事では、草履のサイズ感についてのご不安を解消し、正しい選び方や履き方についてわかりやすくご案内いたします。
和装の草履は「かかとが少し出る」が正解です
普段の靴選びでは「かかとがぴったり収まる」ことが正しいサイズだと思われがちです。しかし、草履の場合はその逆。履いたときに、かかとが1~2cm程度はみ出すのが正しいサイズ感とされています。
これは昔からの日本の着物文化に基づいた履き方で、以下のような理由があります:
- 着物姿がすっきり見える
- 草履の中に足が収まりすぎると、野暮ったく見えがち。かかとを少し出すことで、足元に抜け感が生まれ、上品な印象になります。
- つまずきにくく安全
- 草履はつま先から地面に着地する履き物です。かかとが収まりすぎると、歩きにくくなったり、着物の裾を踏んでしまう恐れがあります。
- 履き慣れた印象を与える
- かかとが少し出ている履き方は、和装に慣れている印象を与え、フォーマルな場にふさわしい所作に見えます。
つまり、草履のかかとが出ているからといって「サイズが合っていない」というわけではありません。むしろ、美しく見せるための基本的な履き方ですので、どうぞ安心してお履きください。
草履の選び方|見た目と履き心地、どちらも大切
草履選びで大切なのは、見た目だけでなく履き心地も重視することです。結婚式では長時間の立ち座りや移動があるため、足への負担が少ない草履が理想です。
以下のポイントを参考にお選びください:
- クッション性のある台を選ぶ
草履には硬めのものと柔らかめのものがあります。当店では、足への負担を軽減できるよう、クッション性のあるソフトな台を採用しています。 - 鼻緒が痛くないものを
鼻緒がきつすぎると足の甲が痛くなることがあります。当店では、やさしく足に沿う柔らかい鼻緒を使用しています。 - 着物との色合わせもポイント
留袖には金銀の入った格調高い草履が合います。
最後に|足元まで安心して晴れの日を迎えるために
草履は着物姿を美しく引き立てる重要なアイテムです。「かかとが出る=小さい」と思いがちですが、和装の草履ではそれが正しい履き方です。どうぞご安心ください。
晴れの日を気持ちよく、誇りを持ってお迎えいただけるよう、イッカでは足元のサポートも万全に整えております。草履について不安な点や気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談くださいませ。
