結婚式や格式ある場面で着用する「黒留袖」。ご自宅のタンスに、お母様やご自身の留袖を大切に保管されている方も多いのではないでしょうか。「せっかくなら自分の着物を着たい」とお考えになるのは自然なことです。しかし、長期間保管されていた着物には、思わぬトラブルが隠れている場合もあります。
そこで今回は、「自宅保管の留袖が今も着られるのかどうか」を見極めるための5つのチェックポイントをご紹介し、レンタルとの比較も含めてご案内いたします。
① シミ・変色・カビの有無
まず最初にチェックしたいのが、生地にシミや変色、カビがないかです。特に白地の比翼仕立ての部分や裏地は、黄ばみやカビが発生しやすい箇所。タンスの中では気づきにくくても、広げてみると目立つシミが浮き出ていることもあります。表地にツヤがない、くすんでいる場合も要注意です。
② 生地の劣化や虫食い
絹の生地は時間とともに繊維が弱くなり、劣化します。軽く引っ張っただけで裂けてしまうような状態だと、着用中に破れてしまう恐れも。特に長襦袢や比翼、裏地は繊細なので慎重に確認を。虫食いによる小さな穴がないかもチェックしましょう。
③ サイズが現在の体型に合っているか
昔に仕立てた着物は、当時の体型に合わせた寸法になっているため、現在のご自身のサイズと合わないことも多いです。肩幅や袖丈、裄(ゆき)の長さが合わないと、全体のバランスが崩れて見えてしまいます。補正や仕立て直しには、時間と費用がかかる場合があります。
④ 帯や小物の状態とコーディネート
留袖だけでなく、帯や帯締め・帯揚げ・草履バッグなども保管状態を確認する必要があります。色あせやシミ、型崩れがあると、全体の印象が古く見えてしまいます。また、昔の帯や小物は現代のスタイルに合わないことも。現在のトレンドや会場の雰囲気に合わせたコーディネートを考える必要があります。
⑤ 着付け・持ち運び・当日の負担
自宅保管の着物を持ち出すには、クリーニング・アイロンがけ・持ち運び用のバッグ準備など、意外と手間がかかります。また、当日必要なものがすべて揃っているかも要チェック。足袋や腰ひも、補正用タオルなどを忘れると、当日の着付けに支障が出ることもあります。
専門店での事前確認を
上記の5点を確認して、状態に問題がなければ着用は可能です。ただし、少しでも不安がある場合は、着物の専門店でプロに見てもらうことをおすすめします。修繕や仕立て直しが必要な場合もありますので、式の数ヶ月前には準備を始めると安心です。
レンタルという選択肢も視野に
一方、留袖レンタルなら、サイズ調整済みの美しい着物を、帯・小物一式とセットで手軽にご利用いただけます。最新のコーディネートで写真映えも抜群、当日の準備もスムーズです。レンタルなら保管の手間もなく、クリーニングも不要。忙しい方には特におすすめです
思い出の着物を着ることも、晴れの日にふさわしい装いを選ぶことも、どちらも大切な選択です。迷われたときは、ぜひ当店にご相談ください。お客様にとって最適な装いをご提案いたします。